ADHDの子供への接し方:課題の整理,順位付け,とりかかり
ADHDの人は行動するのも話すのも早過ぎる、という特徴があります。
これを見て多くの人は衝動性・多動性とADHDを結びつけるが、
実はADHDの人は課題へのとりかかりが遅いという問題も抱えているのです。
ADHDの子供達は衝動的な部分もあるが、本質的に面白くないと感じる仕事に直面すると、先延ばししてしまう事がしばしばあります。
ADHDの子供は重要な仕事、例えば宿題であったり次の日の授業の準備などを、どうしようもなくなるまで先延ばししてしまうのです。
親御さんに怒られたり、友達と遊びに行くことができなくなるなど、ごく近い将来に悲惨な結果に直面するような状況のみが、自分自身で仕事にとりかかる動機となるのです。
これらはADHDの子供達が怠けているのではなく、彼らの認知機能(~する!などと判断・決断する機能)に問題を抱えているからなのです。
ADHDの子供がこの問題を抱えたまま成人してしまうと、仕事などで非常に不利となってしまうのは明らかです。
では、これらの「取り掛かり」に関する問題を解決するためにはどうすればいいのでしょうか?
この「取り掛かり」について、ADHDの子供は
- すること、しなければいけないことはわかっているが、行動を始めることができない。
- 取り掛かっても、無数の考え、周囲の雑音、周囲で起きている事が気になって集中できない。
という状況になっている
この「取り掛かり」の問題を改善する方法は
①薬物療法
(⇒「取り掛かり」問題は脳の報酬系というところの障害によっておきます。よって薬物療法は非常に大きな効果があります。)
②優先順位を決め、守らせる
今回は②優先順位を決め、守らせるにについて、説明して行きます。
多くの日課は、その重要性や緊急性によって整理し、優先順位を決めてとりかかる必要があります。
しかしADHDの人は目前の事に対して優先順位をつけることに非常に苦労します。
そして苦労して優先順位をつけ、計画を建てたとしてもその計画が非現実的であったり、「取り掛かり」の問題によって計画通りに行動できない事に悩んでいます。
このADHDの子供の悩みを解決する接し方としては、
・ADHDの子供と親御さんが、一緒になって毎日やることの計画を建てる。(書き起こす)
・できたら、何らかの形でごほうびを与える。(毎日全部できたら週末~行こうね など)
などの接し方が挙げられます。これと薬物療法を続けていけば、自己管理ができるようになり、次第にひとりでもできるようになってくるのです。